> ゲームボーイの歴史

ゲームボーイの画面について


Q. 初代ゲームボーイはなぜモノクロだった?
A. カラーも可能だったが、実用性を重視した


初代ゲームボーイはディスプレイにモノクロ画面を採用していました。

有名な話ですが、ゲームボーイがテトリスでヒットすると、ライバル企業がつぎつぎと携帯ゲーム機市場に乗り込んできました。このとき、どの企業もカラー液晶を搭載してきましたが、そのせいで電池寿命がもたず、結果的に実用性の高いゲームボーイがトップを独走しました。開発者の横井軍平氏はこうなることを最初から予想していて、「真似した商品が出てきましたよ。しかも、カラーでものすごい人気ですよ」と聞いたとき「よかったよかった」と喜んだそうです。

カラー液晶を選ばなかった判断については、横井氏のある経験がもとになっています。「昔、社長のところに誰かが液晶テレビを持ってきて、社長が私にくれたんですね。それで喜んで使っていたら、1時間で消えてしまった。どうしたんだろうと思ったら、電池切れなんですね。これではテレビとしても問題があるなと思ったんです」。ゲームボーイの開発でもそれが頭にあったとのこと。

ゲームボーイをモノクロ画面にしたことは重要な成功要因だったわけですが、当時はファミコン全盛のときなので、社内ではかなりの反対意見がでたようです。電池が持たないならACアダプタを使ってカラーにしたらいいという意見もありましたが、「ACアダプターを使って部屋のなかでやるなら、ファミコンと比べて画面は小さい、見にくいというデメリットしかないじゃないか」「ファミコンとは違う路線に置かなければならないんだ」と横井氏は強く反論しました。あくまでもゲームボーイは「携帯」をコンセプトの中心にもってくるべきだと考えていたのです。

また、横井氏はゲームの本質に色は関係ないと思っていました。将棋やオセロをカラーにしても面白さが倍になるわけではないことを例にあげて、「色がついていたら、確かに派手でとっつきはいいけれども、プレイしはじめたら色がついてようがキャラクターが何色であろうが関係ないんです」「(当時のカラー液晶のデメリットからすると)あえてカラーを前面に出す必要はないんじゃないか、というのが私の考えなんですよ」と語りました。テトリスやポケットモンスターの大ヒットは、この考えを裏づけたといえるでしょう。


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