> ゲームボーイの歴史

ゲームボーイライト誕生秘話



●発売のタイミングが悪かったゲームボーイライト

1998年4月、ゲームボーイシリーズで初めてバックライトが搭載された「ゲームボーイライト」が発売されました。暗闇でもゲームを遊べることに加えて、ゲームボーイポケットよりも電池持続時間が長いことが、ゲームボーイライトの利点でした。

しかし、ゲームボーイライトの販売台数はあまり伸びない結果に終わります。その大きな理由としては、半年後にゲームボーイカラーの発売が控えていたことがありました。

どうしてゲームボーイライトはこんなタイミングの悪い時期に発売されてしまったのでしょうか?

じつはゲームボーイライトは早くから試作品が作られていたのですが、電池寿命などコスト的なものが見合わず、製品化できる時期をずっと待っていたという事情がありました。1998年にようやくコストが見合って、ゲームボーイライトを商品化できるようになったのですが、そのタイミングが別のラインで制作されていたゲームボーイカラーと重なってしまったのです。

ゲームボーイライトを発売しないという選択肢もあったわけですが、「作ったからには出してほしいというのが開発者の心理ですよね」という開発者の意思によって、この製品は日本だけで発売されることになりました。ゲームボーイライトは海外では発売されなかったので、コレクターには人気のある商品となっています。


GBライトについては、かなり前から開発室のなかでバックライトのゲームボーイを作っていました。「これいいよね」って言いながら…、でもすぐ電池が切れるんです(笑)。でも、そんなことをしながら、コストが下がってくるのを待っていたようなところがあったんです。それで満を持して、98年の4月に発売したんですが、その発売のタイミングが絵に描いたように悪かったですね(笑)。GBカラーの発売が半年後に控えていましたし、僕らとしても出すか出さないかという選択肢しかなかったんですね。
(任天堂開発一部部長・出石武宏氏、The 64 DREAM「ゲームボーイ10年間の歩み」より)



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