> ゲームボーイの歴史

14年の幕を閉じるゲームボーイ


2003年7月18日、日本のゲームボーイ最後のタイトル「ドラえもんのスタディーボーイ かんじよみかきマスター」が発売されました。



これによって、ゲームボーイはひとつの歴史に幕をおろしました。このとき、初代ゲームボーイが発売された1989年4月から数えると、じつに14年3か月の年月が経過しています。これは、据え置きゲーム機の中でもっとも寿命が長い「ネオジオ」に並ぶもので、ゲームボーイはもっとも寿命が長かったゲーム機のひとつだったといえます。

また、2003年には「ゲームボーイアドバンスSP」「ゲームボーイプレイヤー」が発売されましたが、これらの機種はゲームボーイアドバンスだけでなく、ゲームボーイのソフトにも対応していました。1989年に買ったゲームボーイソフトが、2003年の最新機器でもちゃんと公式に遊べたわけです。





さらにゲームボーイで発売されたミリオンセラーソフトの数を年代順に並べると、下の表のようになります。


89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01  02 03 
ミリオンタイトル数 4 1 0 2 1 1 2 3 2 4 3 2 1 0 0
発売タイトル数 25 118 110 115 81 93 58 40 56 99 149 178 121 15 2


初代ゲームボーイ(1989年)が発売されてからゲームボーイアドバンス(2001年)が発売されるまでの間、100万本以上売れるタイトルがでなかったのは、なんと1991年だけ。

1991年を除けば、13年間にわたって毎年1本はミリオンヒット作がでていたわけです。

ゲームボーイの生涯が、本当の意味でロングランだったことがわかるでしょう。

横井軍平氏は「ゲームボーイは、当初からいわゆる『静かなブーム』なんですね」と述べました。性能に優れている次世代ゲーム機に注目が集まるなかでも、一定の売れ行きを示していたからです。ゲームがどんどん進化していく時代に、ハンドヘルドという形で、他とはちがうアプローチによって「遊び」を提供したことが、ゲームボーイの長寿の秘訣だったといえそうです。


豆知識ですが、ゲームボーイの最後のタイトルが発売される前に、雑誌の発売予定表ではすこし奇妙な現象が見られました。

それは、最後の2タイトルがやたら発売延期を繰り返すこと。

最後まで発売予定表に掲載されていた4タイトルのうち2つは発売中止になり、残ったのは「漢字BOY3」「ドラえもんスタディーボーイ」だったのですが、この2作品はなぜか、片方が発売延期→もう片方も延期、ということを幾度となく繰り返しました。

そのため、「最後のGBソフトの座を狙って、わざと発売を延ばしているのでは?」と密かな噂に。当時の雑誌編集部も同じようなことを思ったらしく、メーカーに下記のような質問をしています。

 Q.ラストを狙ってますか?
 A.たまたまでしょ (J.ウイング)


結局、先に「漢字BOY3」の発売日が正式に決まって、「ドラえもんのスタディーボーイ」がGBソフトのラストを飾ることになりました。



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