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ロックマンワールド5


ジャンル: アクション
メーカー: カプコン
発売日 : 94.07.22



ロックマンが活躍するアクションゲーム、5作目にしてシリーズ完結編。

4度目のDr.ワイリーの世界征服をくいとめてから数ヵ月後。今度は宇宙からナゾの戦闘ロボットが攻めてきた。未知なる敵へと立ち向かうロックマンだったが、頼みの武器であるロックバスターがまったく効かずに完敗してしまう。ライト博士によって一命を取り留めたロックマンは、新武器として「ロックンアーム」を装備し、再び平和の為に街へ向かっていった。果たして新たな敵の目的とは!?

ファミコン作品をアレンジ移植したこれまでのロックマンワールドとはちがって、今作は初の完全オリジナル。ステージ構成、ボスキャラ、BGMまですべて新規で作られています。そのせいか少し変則的な雰囲気をもった作品。ロックマンといえばやはりボスが魅力的ですが、そのボスの名前からしてシリーズの「お約束」をやぶっており、世界観もこれまでと少し異なっています。

新武器となる「ロックンアーム」は、ロックバスターと比べると射程距離が小さいかわりに、チップを集めることで能力を拡張できる。前作のチップシステムを受け継いだような形になっています。ボスを倒すと入手できる特殊武器も負けず劣らず個性的で、攻撃の軌道から効果まで似たようなものがありません。なにげに接近戦を得意とする武器が多いかも。けっこうクセが強いですが、そのぶん武器を選択する楽しみも大きいです。新登場の「タンゴ」は地上攻撃してくれますが、少し扱いにくいサポートキャラ。

本作はいたるところで「オリジナル」を強調した作りがみられ、ギミック感あふれる敵やステージ構成からも、今までにない手ごたえを感じます。その姿勢はもはや挑戦的といっていいほど。しかし、決してこれまでの作品をないがしろにしているわけではなく、本作はむしろシリーズの集大成としてのオリジナル作品だとわかります。4作までに培ってきた技術を足場に、これまでにないものを作ろうとする熱量がすごい。

シリーズの完結編というと、お茶を濁しただけの作品や、いたずらに世界観に終止符をうった作品もありますが、ロックマンワールド5はそのどちらでもありません、前作までの流れを汲みながらも、最初で最後のオリジナル要素にもこだわり、今までにないほど濃い作品に仕上がっています。アクションゲームとしての完成度も高く、見事に有終の美を飾りました。王道だった4作目と比べると若干クセは強いですが、傑作と呼ぶのにふさわしい出来です。

ロックマンワールドはいわば「本家」ではありません。しかし、本作がこれほど理想的な完結を迎えられたのは、むしろ本家と異なる位置にいた作品だからこそかもしれません。


むずかしさ:★★★★☆ 安定感のある難しさ、ゲームオーバーが続くと救済措置もあり
セーブ機能:★★☆☆☆ パスワードあり、図形なので少々面倒

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