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ポケットラブ2


ジャンル: シミュレーション
メーカー: キッド
発売日 : 98.03.13



「ポケットラブ」はゲームボーイ初の恋愛シミュレーションです。どちらかというとCD-ROMなどで好まれるこのジャンルを白黒ゲームボーイで堂々と発売し、やたら需要が高いボイスについても「ゲームスタートと同時に付属CDを再生すればOK」という、プレイヤー任せの処置でなんなくクリア。あまつさえ、こうして続編までだしてしまった恐ろしい作品です。

けっこう珍しい設定らしいのですが、前作で主人公がヒロインを射止めた後から始まるお話になっていて、はじめに主人公の「名前」「生年月日」「血液型」を入力してから、最後に「好きな女の子」を選んでゲームスタートします。

バレンタインデー当日。彼女からのチョコを期待してニヤニヤする主人公は、下駄箱をのぞいてみると期待どおり手紙とチョコが入っているのを発見します。しかし手紙を読んでみると、「あたしの大切なものを貰ってくれてありがとう」という身に覚えのない内容。首をかしげる主人公のもとに、タイミング悪くやってきた彼女は、主人公を誤解して激しい平手打ち。絶交を宣言して去っていってしまいます。「最低のバレンタインデーだぁ」と嘆く主人公……。

「好きな女の子」を選ぶ → 開始早々その女の子からビンタされる、というワナ。

週が明けて、どう誤解を解こうと悩みながら登校する主人公。
しかし、なぜか周囲の視線が冷たい。

「お前、先週なにやったんだ? 学校中の噂だぜ! 校内一の最低男だってさ」

悪友の前田四郎(まえだしろう)がそう教えてくれます。こうして全校女子生徒から嫌われることとなった主人公。はたして卒業までに、目当ての相手から愛の告白をうけることができるのでしょうか…。

史上初、女の子から嫌われまくるギャルゲーのはじまりです。

ゲームシステムとしては、勉強・運動などのコマンドを選んで能力を磨きつつ、目当ての相手にデートをこぎつけて仲良くなっていくというオーソドックスなもの。しかし主人公は、今をときめく「校内一の最低男」ですから、周りからの評価は最低レベルです。主人公に対する、まわりの女の子からの反応は、

目線が合って、すぐにそらされる。
声をかけて逃げられる。
一緒に帰らないかと誘って無視される。


…というものばかりで、主人公はその度に「もしかして、ぼくって、嫌われてる?」「もしかして、ぼくって、友達未満?」と、落ち込みます。自動的に何度も起こるイベントなので、もう嫌というほど見ることになります。白黒ながらグラフィックのレベルは高めで、女の子達の「毛虫でも見るかのような表情」がよく表現されています(うれしくない)。

登場する女の子は全部で12人。彼女達のほとんどには、主人公以外にも気になる相手がいて、たまにその相手と主人公、どちらがより好きなのかを比較されるイベントが発生します。もちろん序盤では「気になる相手>>>主人公」といった回答がほとんどなので、プレイヤーは顔も見たことないあの野郎(顔グラフィックすら用意されていないあの野郎)に、嫉妬の炎をめらめら燃やすことになります。

こうなったらステータスをガンガン上げて周りを見返してやりたいところですが、主人公の初期ステータスは最初に入力した「プロフィール」で変動します。しかも割と差が大きい。あまりに低いステータスになっていると、ゲーム開始時からすでに不利。「かっこう:0」「きようさ:0」「センス:0」なんて悲惨なキャラが生まれることもあります。ぜひ本名を入れて楽しんでいただきたいところ。

休日には、女の子をデートに誘ったり、プレゼントをしたりすることができます。
主人公のデートの誘い方はとても直球で、相手が電話に出るや否や、

「もしもし ○○ ですけど ぼくと で~と してもらえませんか?」

……まあ、この嫌われ状態を考えると、前フリなんて話しているうちに電話を切られかねないので、正しい作戦であるとはいえますが。それよりこの誘い方、日時や場所の指定を後回しにしているものですから、断られたときに、「きっと都合が悪かったんだ」「場所がマズかったかな」といった風に自分を慰める解釈ができません。

それでもめげずに何度か誘っていると、OKが出ることもあります。
日時と場所を決めて、ようやく好感度を上げるチャンスとなりますが、むしろ本番はここからです

女の子をデートに誘える場所は、割と多めに用意されています。
遊園地・図書館・ショッピングモールなど、デートスポットは全部で25箇所

そのうち23箇所(92%)はデート失敗となります。

まさに九死に一生。針の穴に糸を通すような難易度のデートです。喜ばれるスポット以外では「疲れた」「退屈だった」「一人が良かった」などと文句を言われるだけの結果になります。さらに、運よく「当たり」のデート場所を見つけても、同じところに続けて誘うのはNG、日が近いうちにまた行くのもNGです。たまに相手をプリクラに誘えることもありますが、無視されるか、せいぜい不機嫌顔の彼女とのツーショットができあがるのがオチです。

主人公が彼女ゲットするための一番の攻略法は間違いなくこれでしょう → 転校。

とにかく難易度の高い、このゲーム。あらゆる困難を乗り越えないとグッドエンディングを見ることが出来ません。しかし障害が大きいほど、恋というのは燃え上がるものなのかもしれませんね!

それにしても、スタッフロールでさえ延々と女の子の不機嫌顔を見せつけられるのは、圧巻の一言に尽きます。



むずかしさ:★★★★☆ 効率よくプレイしないとグッドEDは難しい
セーブ機能:★★★★★ セーブは三つ

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