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ぬし釣りアドベンチャー カイトの冒険


ジャンル: RPG
メーカー: BIS
発売日 : 00.08.04



ぬし釣りシリーズ10周年目に発売された、異色ファンタジー作品。

海賊を父にもつ少年カイトが、浜に流れついたボトルの手紙を読むところから物語は始まります。戻らぬ父の行方を追って、オリオン国の王女を救うために、仲間と一緒に大海原へ。

これまでの「ぬし釣り」とは異なり、本作はファンタジー世界が舞台です。物語や会話のノリなども少年マンガに近くなっていますが、基本的なシステムなどは従来と変わりません。ゆっくりした移動、小さめのグラフィック、すこし不親切なところも含めて、ぬし釣り作品。説明書はぜひ欲しいところ。

この冒険を進めるうえで、もっとも高い壁となるのが「航海」です。物語が進むと海賊船を入手できますが、それで海に出てからの移動はかなり大変。まず、船は潮の流れ(ベルトコンベア的)にのって移動しますが、それだけでは大陸まで辿りつけません。帆を張って、風を利用することで進路を変えます。行きたい方向に風が吹いていれば帆を張り、風向きが悪いときは畳みます。ルートを考えながら帆を上げ下げしないと、目的地にちっとも近づけません。さらに頻繁に襲ってくる敵の船は大砲で追い払わなければならず、だんだん減っていく食料も尽きてしまうと全滅に繋がります。準備が不十分なまま海に出ると、まちがいなく後悔します。

航海に限らず、全体的に変わった要素を組み込んでおり、戦闘方法もそのひとつ。FFのような戦闘画面で、上下に移動しながら敵にタマをぶつけるというシステムです。町中でも平然と敵が出現するのはぬし釣りシリーズの伝統。レベルアップすると、大砲の命中率が上がったり、食料貯蔵量が増えたりと特典があります。

斬新な収集要素としては「星座」集めがあり、夜空を見上げることで星座を見つけることができます。シンプルながら雰囲気はでていて、場所や時間によって見られる星空が変化。ときどき現れる流れ星は捕まえると少しいいことがあります。星座はストーリーにも少し絡んできます。

とにかく航海が大変で、ここで挫折する人がいても不思議ではないくらいです。しかし理不尽かと聞かれたらそうでもなく、帆船の動く仕組みや昼夜で変わる風向きなどは、むしろ自然の理にかなったものです。倍速移動・瞬間移動などが当然とされる昨今のRPGにおいて、これほど大陸に到着した時にほっとするゲームはないかもしれません。「ぬし釣り」らしからぬ物語も、クライマックスではかなり熱い展開をみせますし、「威風堂々」をはじめとしたクラシック曲の数々も雰囲気を盛り上げてくれます。独特の要素とロマンに溢れた作品。

ちなみに「牧場物語」シリーズでも、10周年目には、DS「ルーンファクトリー」・PSP「イノセントライフ」といった異色作品が発売されました。


むずかしさ:★★★★☆ 出航前はセーブ必須、戦闘バランスがちょっと極端
セーブ機能:★★★★☆ 2つセーブ可能

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