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DT ローズオブゲノム


ジャンル: カード
メーカー: メディアファクトリー
発売日 : 01.05.25



濃い世界観を持つトレーディングカードゲーム。

”DT”とは生体を意のままに作り変えることができるという、極秘裏に開発されたナノマシンのこと。近未来を舞台に、このDTを巡って戦いが起こります。様々な生物・兵器をDTによって作りだし操る者を“DTマスター”と呼び、ストーリーモードでは“榊拓馬”と“飴井由佳”という2人のDTマスターを中心に物語が語られます。

DTマスターの戦いの基本はカードバトル。自分のデッキを組み、ユニットを召喚して戦って、先に相手マスターのCP(体力)を0にしたほうが勝利です。カードバトルとしてはオーソドックスな作りですが、”スピード”という概念があって同時攻撃ではなく素早さが高いユニットから攻撃するようになっているあたりがユニーク。相手の攻撃力が高くても先に倒してしまえば関係ありません。先手必勝。また一般のカードバトルよりルールが簡略化されているので、一勝負にかかる時間が短めになっています。

「DT」の一番の特徴は、カード一枚一枚に描かれた膨大なフレーバー・テキスト。普通のトレーディングカードなら数行程度の説明文が書かれているところに、長々と数ページほどサブストーリーや薀蓄などが載せられています。読んでいくことでDTの世界をより深く知ることができるようになっていて、壮大に綴られたDTの世界のなかでは、ストーリーモードの物語も断片でしかないことが分かります。

もともと収集要素の強いトレーデングカードに「読む」要素をフィーチャーしたことで、カードを集めるごとにDTの世界が広がっていくようになっています。さらに個々の単語にハイパーリンクが貼られているので、話が繋がっていく感覚が一層強い。トレーディングカードとデジタルメディア、その両方の特性をそれぞれ活かしたシステムを持つ作品となっています。

問題点はストーリーが人を突き放しまくりという部分。「このゲームには暴力シーンや過激な表現が含まれています」と注意書きがされている時点でプレイヤーを選ぶ作品ですが、さらに話の基盤がバリバリのSFな上に、医学や遺伝子の専門用語も平然と登場。科学技術が人間の尊厳を蹂躙している世界観ということもあって、話の内容についていけないという人も多そうです。反対に雰囲気があう人なら、やりこむための環境は整っているので、かなり遊べる作品となるでしょう。

とりあえず、ゲームボーイのなかでも異色な一本です。


むずかしさ:★★★☆☆ 戦略よりカード自体の強さに頼るところが大きいのは少し残念
セーブ機能:★★★☆☆ 1つセーブ可能

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